2015年02月10日

良い子を産むこと

# 今回の話は、科学的ではありません。あくまで個人的な経験則に基づく憶測です。
# 不妊で悩まれている方、ご興味のある方は読んでみてください。

太宰治は「貿易だの政治だのがあるのは、女が良い子を産むためです」と言いました。
お蔭様でこのたび、妻が三人目の子供を妊娠しました。6月出産予定で、女の子だそうです。
三人目ともなると慣れたもので、名前もすぐに決めてしまいました。

念願の三人目で大変喜んでいるのですが、実はかつて不妊に悩んだ時期がありました。
東京に居たころ、結婚4年目に入っても子供ができず、
不妊治療のため学芸大学のクリニックに夫婦で行ってみました。

本当にゾッとしたのですが、最初のインストラクションで合同説明会に出たところ、
受付ホールがびっしりと患者さん夫婦で埋め尽くされていました。
それもアラフォーとかの微妙な年齢層ではなく、
むしろ30歳くらいの健康そうな美男美女が本当にたくさん。
もちろん自分達もその一部だったわけですけど、あの画は今でも忘れられません。

そこは結構イケイケな病院でした。
「奥さんの年齢から推定して、残りの排卵は●回しかありません。時間の経過でリスクが増大します。
薬剤注射、人工授精、体外受精という方法があります。いつから開始されるか現実的に検討をはじめてください。
チャンスを無駄にしないで。」
というノリでした。
自然妊娠するためのアドバイスが欲しかった我々には、明らかにニーズが違いました。

それでも基本的な検査は共通なので、夫婦で検査に何度か通いました。
半年くらい通ったのですが、妊娠には至らず、明確な原因も不明のまま。
生理がくるたびにカウントダウンが進んでいくようで、妻は毎月泣いていました。
精神的な負担が大きいので、一旦諦めて病院通いをやめました。
そして忘れかけた頃に念願かないました。
意外とこんなもんです。

それは自分が農業研修をはじめた時期でした。
林農園という、種とりで有名な有機農家です。
種をとるためには、おしべとめしべが健全に受粉されなければいけません。

ところが今や市販野菜の多くは、種が取れない(正確には、雄しべにDNA異常がある)品種です。
「そんな野菜ばっかり食べていたら、人間の雄しべにも異常が出やしないか」
と以前から危惧しているのが野口種苗研究所の野口さん。タイミング的にも、自分の心に突き刺さりました。

もちろんこの懸念は科学的には仮説の段階にも行ってない、憶測に近いものですが
そんなわけで、農家になった今も自分は、雄しべに異常の無い昔の種しか使わずに作付けをしています。
正常な種の野菜を食べ始めてから半年くらいで妊娠できた自分たちには、偶然に思えないです。

もちろん食生活だけが転機だったとも限りません。
研修では片道二時間半の通勤(?)と肉体労働が続き、体質が変わるほど運動量の多い時期でした。
ストレスの少ないアットホームな環境で癒されたのかもしれません。

また、当地では子供ができなくて困っている人など聞いたことがありませんので
食生活と関係なく、人口密度が低いと子供はできるのかもしれません。

去年の種市大学でも報告しましたが、分科会で話した山田君は子供4人、池松くんも3人目がそろそろです。
二人とも自然農の種とり農家。

まとまりませんが、悩んでる人が物凄く多いので、何かの糸口になれば幸いです。
posted by 宮本農業 at 01:42| Comment(0) | その他

2014年01月18日

プロ

私の畑の周りには、プロの農家がいます。
有機農業ではなく、普通の栽培方法。農薬も化成肥料も使って、種も一般的なもの。
そして別に名前が売れているわけではないけど、やっぱり見てるとプロなのです。


第一に、プロは失敗しません。
第二に、プロは大量に供給できます。
第三に、プロの仕事は美しい。


いくら固定種の安全性を訴えて、
たまにまぐれで美味しいものを作れるようになったとしても、
私はまだどれも達成できていない。

もちろん、見た目の整然さなんかは、除草剤やF1を使わない自分には絶対無理なところもあるけど、
そういうのだけではなくて何かが違うんですよね〜
本気度とか、それで100%食っていく覚悟から来る何かだと思います。

始めて数年で獲得できるようなものではないのでしょうけど
たとえ有機といえどもやっぱりプロの領域ってのがあると思うので、
そう思われるように行動していきたいです。
posted by 宮本農業 at 22:32| Comment(0) | その他

2013年12月29日

うまく届かない

先週の講座をはじめ、これまで小規模ながら何回か固定種やら有機の話をさせて頂きました。
話の下手さはありますが、一応それなりに最低限のことは伝わっていると思います。
そして私の思いに同意して頂けた方がほとんどだとも思います。

結果、なかには私の野菜を購入しますとすぐに申し込んでくれた方が何人かいます。
しかし多くの方はそうはしません。
かといって私以外の固定種農家から野菜を買うようになったかというと、たぶんそうでもないのです。
つまり固定種やら無農薬やらが良いと理屈の上では理解しても、即行動には移さないのです。

諸外国と比べ、日本では圧倒的に有機栽培の割合が少ないようです。
10分の1どころではなく、圧倒的に少ないのです。
有機農業推進法という法律もできているのに進まないのは、需要が少ないからでしょう。


これは仮説ですが、日本人っておそらく、最終的には国産のものを信用しているんですよね。
自分もそうなんですが、「日本人ならそこまで無茶なものは作らないだろう」っていう
最低限の信頼感みたいなものが、薄いなりにもしっかりと心の底に宿っているような気がします。

それは国民性として素晴らしいことですが、
それがある限りはなかなか現場は変わらない。
有機野菜もたまには買うけど、入手しやすいスーパーの野菜でも生活には事欠かない。


頑張って訴えても、いつもモワッと受け流されてしまうような変な感覚があります。
種市がイベントとして成功しても、固定種がどんどん世の中のスタンダードとして
浸透しているのかというと、いまひとつ手ごたえに欠けるような気がするのです。

何をすればいいんでしょうね。
もしくは何もする必要が無いのでしょうか。
皆さん時間がなくて、材料としての野菜自体が必要ないのかも。
ある程度時間が必要な面もあると思います。

別に絶望しているわけでもないのですが、
素直に難しいなあと思います。
posted by 宮本農業 at 02:50| Comment(0) | その他